【個人の税務調査の実例】売上・経費を毎年ずっと同じ金額で申告して税務調査に
個人の税務調査は通常は過去3年分、5年分を調査することとなります。
それぞれの年分ごとに売上げと経費を計算しますので、当然ながら年分によって税額は異なります。
ずっと同じ金額で確定申告をしていて税務調査の対象となったケースがあります。
※ 事実関係を変えています。
毎年同じ金額で確定申告
大工である個人事業者から税務調査対応の依頼をいただきました。
個人事業を開始して15年くらい経ち、初めて税務調査の連絡があったとのことです。
毎年、過去の金額を参考にして自分で確定申告書を作成しているとのことでした。
ご相談の際に確定申告書の控えを5年分用意していただきました。
5年分の確定申告書を見て驚きました。
5年分すべて同じ数字で申告されていたのです。
売上げ、経費、税額まですべて同じ金額でした。
お話を伺うと前年の控えを見ながらまったく同じ数字を書いていたとのことでした。
行った対策
- 売上げと経費を集計
- 修正申告書を作成
毎年、前年と同じ数字で申告していたので当然ながら実際の数字とは違っています。
そのため、実際の売上げと経費を集計することにしました。
幸いにも資料は保存されていたので集計はそれほど時間をかけずにできました。
計算してみた結果、5年分のうち4年分が過少申告となっていました。
実際の数字の方が利益が大きかったのです。
そのため4年分の修正申告書を作成して提出しました。
残りの1年分については少しですが、多く申告していた状態でしたのでそのまま税務調査を受けることにしました。
税務調査によって過大であることがわかれば税務署側で処理をすることとなります。
すべての年分で扶養控除が抜けていたので扶養控除についても修正しました。
税務調査の結果
税務調査の結果、事前に提出した4年分の修正申告書についてはそのままで問題ありませんでした。
過大となっていた1年分については税務署側で減額の処理をすることとなりました。
資料が残されており売上金額と経費の確認がすぐできたため早期終了できました。
4年分の税額が発生したのですが、1年は減額であったことやすべての年分で扶養控除が抜けていたこともあり税額の負担はそれほどでもありませんでした。
まとめ
確定申告書を提出していてもその内容がおかしいと判断されれば税務調査が行われます。
このケースでは調査官から「毎年同じ金額だったので調査に来ました」と言われました。
確定申告書を作成するのは大変ですが、毎年しっかりと計算をして作成する必要があります。
税務調査が行われる理由は様々ですが、確定申告書の内容がおかしいと思われる場合には調査が行われる可能性が高いです。
毎年同じ数字ですと「本当に正しいのか」と疑われても仕方ありません。
しっかりと計算するようにしましょう。
私も税務調査のご相談をお受けしております。
お困りの際は下記よりご相談ください。
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税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】



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