異動届出書・消費税・給料など設立届以外にも届出書の提出が必要な場合
異動届出書といって設立届出書以外にも届出書の提出が必要なときがあります。
事業を継続していると法人でも個人であっても税務署に届出が必要なケースがあります。
期限があるものはちゃんと提出しないと余計な税金を払うようなことにもなりかねません。
どんな届出があるのか、どんなときに必要なのかを把握しておきましょう!
開業したときに提出するもの
法人・個人事業のどちらであっても開業したときには税務署に届出書の提出が必要です。
基本的には、
- 開業届出書
- 青色申告承認申請書
- 給与支払事務所の開設届出書
- 源泉所得税の納期の特例の申請書
などが必要です。
個人事業主で青色申告の専従者給与を支払う場合にはその届出書も必要です。
個人事業主が法人化(法人成り)したときにも届出は必要ですよ。
異動届出書を提出しよう!
事業をやっていると法人でも個人でも税務署に届出書の提出が必要なケースが出てきます。
異動届出書を提出する場合
- 住所が変わった
- 納税地を変更する
- 代表者が変わった
- 法人の名称変更
- 法人の資本金額の変更
- 事業年度の変更
このように何かの「変更」があった場合には税務署に異動届出書というものを提出します。
法人の場合は登記情報の変更があったら届出をすると覚えておけば大丈夫です。
法人の名称変更、目的の変更、代表者の変更、資本金の変更などがあったら届出する。
納税地の変更をしたい場合も届出が必要です。
これは個人事業主の方も同じです。
例えば、住所が埼玉県で事務所が東京の場合。
埼玉県でも東京でもどちらでも税金の申告はできます。どちらの税務署でもいいのです。
これを変更したい場合に届出書を提出することになります。
とにかく、変更があったら届出が必要と覚えておきましょう!
「異動届出書」は税務署だけでなく都税事務所・県税事務所・市町村にも提出が必要となります。
異動届出書の提出を忘れたら?
もし、変更があったのに異動届出書の提出を忘れてしまったらどうなるでしょう?
実は、特に罰則はありません!
国税庁のHPを見ていただくと、提出時期は【異動後速やかに】となっているのです。
期限がはっきりしないから提出しなくていいわけではありません。
提出は必要なのですが、期限がないため遅れるということがありません。
なので罰則も特にないのです。
くどいですが提出は必要ですよ!
提出していないことを税務署に把握されると提出を促されます。
廃業も届出書の提出が必要
個人事業主の方が法人化(法人成り)した場合など廃業したら届出書の提出が必要です。
消費税は届出書が超重要
消費税関係も税務署に届出書の提出が必要です。
消費税関係の届出で注意しないといけないのは何と言っても期限です!
税理士が訴えられることが一番多いのが消費税。
しかも、ほとんどが届出書の提出関係なのです。
税理士でさえ間違えてしまうような届出書なので本当に気をつけないといけません。
と、言いますか消費税が関係してくる売上1,000万円を超えるようになったら税理士に依頼した方が無難です。
消費税の届出が必要なケースは、
- 消費税を納める事業者になったとき(課税事業者になった)
- 消費税を納める必要がない事業者になったとき(免税事業者になった)
- 特例の計算方法を使うとき(簡易課税を選択する)
- 特例の計算方法をやめるとき(簡易課税をやめる)
- あえて消費税を納める事業者になるとき(還付を受けたい)
- 課税期間を短縮したいとき(消費税は3ヶ月ごとなどに納付が可能)
消費税の届出は期限が重要!
先ほども書きましたが、消費税の届出書は期限が超重要です。
この期限を間違えるととんでもなく損をしてしまう可能性もあるのです
消費税は適用を受けようとする前に提出しないといけません。
簡易課税という特例計算をしたい場合を考えてみます。
個人事業主の場合は平成29年から適用したいなら平成28年12月31日まで。
法人なら6月から5月の事業年度だと5月末まで。
消費税関係は本当に複雑なので税理士などに相談した方がいいです。
給料関係は源泉所得税の届出書
事業が大きくなり従業員が増えて10人を超えるようになったら源泉所得税の納付方法が変わります。
給料を支給するときに所得税を天引きしますが、この天引きした所得税は翌月10日までに税務署に納付することになっています。
5月25日に給与支給したら6月10日までに天引きした所得税を納税します。
これは社長一人であっても同じです。
ただし、従業員が10人以下の場合は半年にまとめて納付することも認められます。
開業時に「源泉所得税の納期の特例の承認申請書」を提出しておけば大丈夫。
従業員が10人を超えると半年ではなく毎月納付が必要になるのです。
「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなった場合の届出」と言います。
申告期限の延長申請書
法人限定ですが、申告期限の延長申請ができます。
通常、法人は決算月の2ヶ月後までに申告書の提出が必要なのですが一定の要件に該当すると申請書を提出することで3ヶ月にすることもできるのです。
要件は、
- 定款で株主総会が決算日から3ヶ月以内と定められていること
- 会計監査人の監査を受ける場合
- 決算日の翌日から45日以内に申請書を提出していること
です。
会計監査人の監査は、上場会社など監査法人の監査を受けるような場合なので中小企業にはあまり関係ありません。
一般的には、株主総会が決算日から3ヶ月以内という要件により延長申請します。
決算は株主総会で承認を得ることで確定します。(社長一人であっても)
株主総会で承認され確定してから税金の計算をするのです。
株主総会が3ヶ月となっているのに税金の申告が2ヶ月では間に合いません。
なので延長申請が認められるのです。
申告期限延長申請の注意点
延長されるのはあくまで「申告書の提出」だけです。
なので納税は2ヶ月以内にしないといけません!
2ヶ月以内に納税しておいて申告書ができたらそこで精算するような形です。
延長をして納税が遅れると利子税という税金がかかります。
延長されるのは法人税・地方税だけです。
消費税は延長されません!
消費税は通常通り2ヶ月以内に申告書の提出と納税が必要です。
まとめ
何か変更があったら届出が必要、消費税は届出が超重要。
これだけは
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