個人の税務調査の不安を和らげます

税務署が個人事業主の所得を把握する手段!税務調査=脱税ではない

    
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税務署が個人事業主の所得を把握する手段!税務調査=脱税ではない

 

  「税務調査が来る」というと何か悪いことをしてしまったのではないか、と思う方が多いようです。

税務調査に来るのは何か証拠を掴んでいるからではありません。

  税務署はいつくか所得を把握する手段がありますが、全てを把握しているわけではないのです。  

この記事の内容について簡単にお話ししました。

 

税務署はすべてを把握しているわけではない

  私が税理士業界に入ったときに「クロヨン」とか「トーゴーサン」という言葉を聞かされました。

今ではあまり聞きません。 「トーゴーサン」が何かというと、 給与所得者は10割(トー)、自営業者は5割(ゴー)、農業などは3割(サン)という意味です。  

 

それぞれ税務署が把握している所得のことです。  

 

昔の話なので今はどうかわかりませんが、

 

給与所得者は10割つまり100%税務署に所得を把握されているのです。 自営業者は5割、農業は3割の所得を税務署が把握していると言われています。  

 

給与所得者が10割なのは年末調整をしているからです。   給与所得者(サラリーマン)は100%把握されているのですが、自営業者や農業などは半分程度しか把握されていないということです。((誤魔化していいわけではありません)

 

  税務署も全てを把握しているわけではないのです。    

 

税務調査=脱税ではない

 

  税務署といえども全てを把握しているわけではありませんから、すぐに「税務調査=脱税」とはなりません。  

 

悪いことをしたから税務調査が来るわけではないのです。  

 

稀に情報を掴んでいることもありますが本当に稀です。

 

通常の税務調査で最初から何かしらの不正を掴んでいることは稀です。

税務署はたくさんの確定申告書を見ているわけですから「何かおかしいな」「間違えているのでは?」「売上げが少ないな」と何となく感じることはあっても100%確実に何かを事前に把握していることは少ないです。

 

去年より売上が急激に増えている、売上が増えているのに利益が増えていないとか気になるところがあると税務調査に来るのです。  

 

「税務署は何もかもお見通しで実は脱税のようなことをしちゃったのではないか・・」と心配される方もいますが、そんなことはありません。  

 

税務署も年間である一定数の税務調査をこなさないといけないので怪しいところだけを調査するわけにもいかないのです。

 

  税務調査されるからといって税金をごまかしているとは言えませんので安心してください!    

 

税務署が所得を把握する方法

 

  税務署はすべてではありませんが所得を把握している部分もあります。

 

税務署がどのようにして所得を把握するのかというと、  

  • 確定申告書 
  • 法定調書合計表(支払調書) 
  • 資料せん 
  • 登記情報 
  • 密告 
  • 反面調査

こんなところです。  

 

確定申告により把握

 

  提出された申告書を見ればどれくらい収入があったのかわかります。 これは言うまでもありませんね。  

 

法定調書(支払調書)

 

  会社などは年に1回(1月末)までに法定調書というものを税務署に提出します。 この法定調書には支払調書も添付することになっています。

 

  何かというと、1年間でその人にどれだけ報酬を支払ったか、を記載した書類です!  

 

その会社が従業員にどれだけ給料を支払ったか、税理士や個人事業主にどれだけ報酬を払ったか、家賃をどれだけ払ったかなどを記載して税務署に提出するのです。  

 

役員やサラリーマンもある程度の収入以上だと源泉徴収票を提出することになっています。

  例えば、私がA社から50万円を報酬としてもらうとA社は税務署に「税理士の内田に50万円払った」と法定調書に書いて提出するわけです。 A社が50万円、B社が40万円、C社が45万円と調べていけば「税理士内田」のだいたいの所得が把握できるわけです。  

 

私の確定申告書で売上の金額が違っていると、税務調査に来て調べるわけですね!  

 

このように売上の漏れが発覚することもあります。  

 

株などの取引も把握されている

 

  先物取引なども支払調書の提出がされますので、収入があるのに申告していないとバレます。

 

私が税理士業だけを申告して先物取引の収入を隠してもすぐにバレてしまうのです。  

 

今バレていないのはたまたまですよ!  

 

資料せん

 

  事業をやっているとたまに税務署から「資料せん」が送られてきます。 何かというと、税務署が情報を集めるための書類です。 あなたの会社が外注費として支払っている先を書いて提出してください、というものです。  

 

こちらが外注費として経費にしていたら相手先は売上になっているはずです。  

 

それを調べるわけですね。  

 

資料せんはどの会社に送られてくるかはわかりません。 外注費だけでなく仕入先や交際費の支払先などを書くケースもあります。  

 

登記情報

 

税務署は登記情報も見ています。

法人を設立したり、不動産の移転があったりはすべて把握しているのです。   会社を設立したのに申告していないと税務署からお尋ねがきます。 土地や建物を譲渡したのに申告しないとお尋ねがきます。(不動産の譲渡は申告前にお尋ねがくることも)  

 

登記情報から不動産を売ったことや法人の設立を把握しています。

 

密告

 

  密告により情報を得ることもあります。 辞めた従業員が「あの会社はこんな手口で税金をごまかしている」と情報を流すことも。 元従業員なので詳細を把握しているので信憑性もあります。

 

  不正をしないことが一番ですが退職時は穏便にしましょう。

 

反面調査

 

  ある会社に税務調査にいくとA社に年間500万円払っている、ということがわかります。

 

あとでA社がちゃんと申告をしているかどうかを調べるのです。   税務調査にいくとその会社の調査もするのですが、情報収集もしているのです!  

 

どの会社、個人事業主にいくら支払っているかも調べています。

 

金額が大きい取引先などは反面調査で調べられたりもします。    

 

税務署も人間

 

  税務署はあなたのことを全て知っているわけではありません。

 

友人や恋人と飲みにいった領収書を経費に入れていたとしても、その領収書を見て経費ではないとすぐにはわからないのです。 (他の情報からわかることがある)  

 

カフェの領収書を見て打ち合わせをしたのか一人で休憩したのかなんてわかりません。  

パッと領収書を見て経費ではない、とは言えません。  

 

自宅で仕事をしている人が自宅の光熱費を3割経費にしていても、それが多いかどうかはわからないのです。

 

  税務署も人間ですので、あなたのことを24時間ずっと見ていることはないし全てを知っているわけではない。  

 

税務署はちょっとした間違いや不正などはすべてお見通しで少しでもごまかすとバレると思っている方がいますがそれは税務署を怖がりすぎです。  

 

そもそも、税務署が全てを把握していたら税務調査に来る必要はないのです。  

 

まとめ

 

  税務署といえどもすべてを把握していません。 税務調査に来るからといって脱税や悪いことをしているわけではありません。

 

  過度に怖がる必要はありません。

 

当然ながら脱税行為など誤魔化したりしていないことが前提です。

もし、誤魔化してしまっている場合には何かしらの対策が必要です。

 

私も税務調査のご相談をお受けしております。

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税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】

税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】

個人事業主の税務調査に特化しています。14年間税理士業界を経験して独立開業。従業員を雇わず税理士である自分自身がすべて担当しています。難しい専門用語を使わないことを心がけています。子育てに力を入れているイクメン税理士。

この記事を書いている人 - WRITER -

個人事業主の税務調査の対応に力を入れている税理士です。税務調査の相談・立ち会いをしています。11歳と8歳の2児の父で子育てに力を入れています。(両方とも男の子) ⇒ 詳しいプロフィールはこちら ⇒ 税務調査の本を2冊出版しています。 ※記事の内容は執筆時点の情報にもとづいています。

税理士 内田敦

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