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個人事業主の税務調査は何をどこまで調べられるのか?目的は適正な課税をすること

 
税務署の画像

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個人事業主の税務調査の対応に力を入れている税理士です。年間80件以上の税務調査の相談・立ち会いをしています。7歳と4歳の2児の父で子育てに力を入れているイクメン税理士です。(両方とも男の子)
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税理士 内田敦

個人事業主の税務調査では事業のことだけでなく色々と調べられます。
あくまで「適正な税金」を計算するためです。
売上や経費だけを調査されて終わるわけではありません。

税務署側から利益が多すぎると指摘されることもあります。

個人事業主の税務調査で調べられること

税務調査の大きな目的は適正な税金を計算することです。(後述します)
そのために必要なものを必要なだけ調査されます。

ここでいう税金は所得税消費税です。
国税と言われるもので税務署で調査するのは所得税と消費税。
調査の結果によっては住民税や事業税、国民健康保険なども変わってきます。

税務調査で調べられるのは主に下記のものです。
大きなところでいうと、

  • 事業の所得
  • 事業以外の所得(副業など)
  • 相手先との取引
  • 生活費
  • 家族の収入

もちろん一番重要視されるのは事業の所得です。
それだけでなく事業以外の所得がないかも調べられます。
税務調査は正しい申告をされているかどうかの調査なので、事業以外に申告が必要な所得がないかどうかも確認されます。

必要があれば取引先についても調査があります。
反面調査と言われるものです。

参考 → 税務調査の宿題は早めに対応することで反面調査を防ぎ早期終了につながる

個人事業主は生活費も聞かれますし、家族の収入も調査されることがあります。

さらに細かいところでいうと、

  • 請求書・領収書・契約書などの書類
  • 帳簿関係
  • 申告書を作成していたときの集計メモなど
  • 通帳(事業用と生活費用)
  • 屋号があるならその印鑑
  • 車の中
  • パソコンのデータ
  • ホームページなど
  • スマホの通話履歴
  • 自宅を事務所としているなら仕事部屋の使用状況
  • 自宅や事務所の書類の保管状況
  • レジのデータ
  • レジの操作方法
  • カルテ
  • 手帳など
  • 現金商売は現金の保管状況

などなど。
適正な税金を計算するために必要と思われるものを調べられます。
最近ではホームページを見てきていることが多いです。

税務調査についてまとめたページを作りました!
・税務調査についてまとめたページ

どこまで調査されるのか

税務調査の目的は正しい申告をしてもらうことです。
適正な利益を計算しそれに対する税金の支払いをしてもらうことですので、関係のないことは調査されません。

仮にギャンブルで何百万円も損していたとしてもそれについては何も言われません。
好きなものを集めるコレクターでいくらお金を使っていても何も言われない。
高級車に乗っていてもタワーマンションに住んでいても何も言われません。

適正な税金を支払ってさえいれば問題はありません。

稼いだお金を何に使おうが自由なので税務署は何もいいません。
くどいですが、正しい税金を支払っていれば何も言われることはないのです。
納付書の画像

税金が正しいかどうかの調査

何にお金を使っていても貯金していたとしても何も言われませんが、税金が正しいかどうかを判断するためのものは調査されます。
利益が500万円として申告していたとして、本当に利益が500万円なのかどうかは調べられることになります。

正しい税金を計算するためには正しい利益を計算する必要があります。
正しい利益を計算するためには売上と経費が合っていることが必要です。

そのため、売上と経費については細かくチェックされます。
売上や経費にならない生活費の支払いは細かくは調査されません。
(後述しますが生活費も確認はされます)

税務調査は何年分?

税務調査は5年間のケースが多いです。

最初に税務署から連絡があるときは3年と言われることが多いです。
その3年間で大きな間違いがあると5年間に、
その5年間で脱税のようなことがあると7年間になります。

最高で7年間です。
仮にそれ以上過去に申告もれがあったとしても税務署から申告するように言われることはありません。

最高で9年前の収入まで確認

税務調査の期間は最高で7年間ですが、9年前の収入まで調べられることがあります。
それは消費税が関係しているからです。

消費税は2年前の売上が1,000万円を超えると課税事業者(消費税を支払う義務)となります。
なので、7年前に消費税を支払う義務があるかどうかを判定するには9年前の収入を調べる必要があるのです。

帳簿などの保存期間が過ぎているので、9年前の収入なんてわからないケースが多いのですが、通帳の入金記録などから調べることとなります。

まずは事業の所得から

個人事業主の税務調査で一番重要なのはなんといっても事業の所得です。
当然、税務調査では必ず調べられますし事業所得だけしかないケースも多いです。
事業以外の所得が少ない場合にはあまり調査されないこともあります。
(調査しないということではなく時間をかけない)

売上の調査

売上は税務署がもっとも力をいれて調査するところです。

真っ先に調べるのが売上です。
売上を見ないなんてことはまずありません。

通帳、請求書、領収書などから金額が合っているかどうかを調査されます。
場合によっては相手先に確認することもあります。

特に現金取引などは厳重に調べられます。

参考→ 現金商売の税務調査のポイント。売上の証拠となるレジペーパーなどは捨てない

  • 通帳
  • 請求書控え
  • 領収書控え
  • パソコン
  • 手帳など

なども調べらます。
通常は通帳、請求書控えなどで金額を把握できるのですが、場合によってはパソコン内のデータも調査されることがあります。
パソコンで請求書を作成していると印刷せずにデータだけ残っていることもあるからです。
その他に、ケースとしては少ないですが相手先と金額の操作などをしていないかを確認されることもあります。

クリニックで患者さんのカルテをすべて確認されたこともあります。
どのような治療・施術をしているかを見て売上金額を調べようとしていました。

毎月、外注費の支払いのために銀行から現金を引き出していた方がいました。
ある月だけ銀行から引き出しがなかったことから現金売上があったことが判明したこともあります。

事前にホームページを見てサービス内容や価格表を確認してきていることもあります。
ホームページの価格と売上がちゃんと合っているか調査されたこともあります。

手帳でいつ・どこに行っていたかがわかるります。
例えば東京の現場があればその現場の売上がちゃんとあるかどうかなどを確認します。
一日行っていくら、の仕事であれば仕事日数を確認して大まかな売上がわかります。

これでもすべてが判明しない場合は、先述した反面調査をされることとなります。

経費の調査

まずは何よりも売上が大切ですが、経費も調査されます。
ただ、いままでの経験から言うと同業者との比較や常識的に考えておかしな金額でなければそこまで細かく調べられることは少ないです。

参考→ 個人事業主の経費のまとめ。経費にできるもの・領収書がないとき・いくらまでなら大丈夫?

実際にあったのは、領収書の保管があるかどうかの確認をして終わったこともあります。
領収書を一枚一枚確認するようなことはせずに、ただちゃんと保管があるかどうかの確認だけのことがありました。
領収書の束

これは例外ですので、経費もしっかりと調査されると考えておきましょう。

経費になるかどうか迷った場合は下記の記事を参考にしてみてください。
参考→ 経費になるかどうかの判断基準は1つ。売上に貢献するかどうか?

経費については、

  • 領収書・レシート
  • クレジットカード明細
  • 通帳
  • 帳簿

などで確認します。

ちなみに領収書やレシートがなくても経費にできる場合もあります。

参考→ 領収書がなくても経費にする方法。レシートを紛失しても経費にできる場合がある

帳簿は重要!

帳簿は非常に重要です。

いまは白色申告であっても帳簿が必要となっていますし、青色申告の場合も必須です。
青色申告の場合は帳簿がないと青色申告特別控除が認められないこともあります。
帳簿のつけ方

それ以上に重要となってくるのが消費税です。

帳簿が必須とはいっても所得税は帳簿がなくても経費は認めてくれます。
仮に領収書の保管がなかったとしても合理的に客観的に考えて明らかに発生している場合は経費を認めてくれます。(青色申告の控除を認められない、青色申告の取り消しはあり得ます)

しかし消費税はそうはいきません。
消費税の場合、経費を認めるのは帳簿を保存しておくことが条件となっているのです。
領収書やレシートがあっても帳簿がないとダメなのです。
帳簿がない場合は納税額が大きくなってしまいます。
(特例の簡易課税を選択している場合は帳簿がなくても大丈夫です)

参考→ 帳簿とは何?何を・いつ・とうやって書けばいいのか?

経費も相手先を調べられる

売上だけでなく経費についても反面調査のようなものがあります。

相手先を調べて本当に経費なのかどうか、本当にお金を払っているのか、何を買ったのかなどを調べられるのです。
過去にヨドバシカメラで買ったものを調べられたこともあります。
領収書で「品代」としか書いていなかったので内容を確認されました。

飲食代のレシートについても、お店の店主に「本当にこの人が来ているかどうか」を確認されたこともあります。

経費も相手先に調べられることがあります。

常連となると白紙の領収書を渡されることもあるかもしれませんが、自分で金額を書くのは絶対にやめましょう!
面倒であってもお店の方に書いてもらわないといけません。
実際に自分で書いていて指摘されたこともあります。

通帳などの残高確認も

銀行残高の確認もされます。
単純に大きく残高が増えていたらそれなりの収入があるだろうと予測できるからです。

確定申告書は300万円の利益なのに銀行残高が1,000万円増えていたらおかしいですよね。

もちろん例外もありますので、借入をして残高が増えたなど理由があればいいです。
ハッキリとした理由がないのに利益に見合った残高でない場合は当然ながら調査されることになります。

通帳の画像

生活費も調査される

税務調査では生活費も調査されます。
先ほどの銀行残高と似たような話ですが、生活費で月に30万円かかるなら年間で360万円以上は利益があるはずです。
それなのに確定申告書の利益が150万円だとおかしいですよね。

利益が150万円なのに生活費に360万円使っていたらおかしい、と考えられるわけです。
毎月の給料が20万円なのに30万円もお金を使うことはできないですよね。
売上が少ないか経費を入れすぎているか、と考えられます。

もちろん、借入や貯蓄を取り崩しているなど理由があれば問題ありません。

利益が多い場合も指摘される

売上や経費が正しいかどうか、生活費の金額や銀行残高の推移などから総合的に「利益がいくらあったのか」を判断されることとなります。

利益が多すぎると言われたことも

客観的に考えて利益が多すぎる場合は税務署側から「利益が多すぎる」と指摘されることもあります。

税務署は税金を取ることが仕事なのですが、なんでもかんでも取るわけではありません。
あくまで適正な利益に対する税金を取るだけです。
生活費や銀行残高などから総合的に考えて適正だと思われる利益に対して税金を払う形になります。

例えば、
通帳の残高が100万円増えていて、生活費に360万円かかるなら年間の利益は460万円くらいかなと予想できます。
それなのに、売上と経費を調べて800万円利益が出たことになっていたとすると何かがおかしいとなるわけです。

売上でないものを売上としているか、経費が抜けてしまっているか、となります。

意外に思われますが税務署側から利益が多すぎると言われることもあるのです。
よくあるケースとして領収書やレシートを紛失していることがあります。
この場合は合理的に考えて妥当と思われる金額を経費とすることもあります。

税務調査や個人事業主の税金についてまとめたページを作りました!
・個人事業主の税金をまとめたページ
・税務調査についてまとめたページ

まとめ

税務調査の目的は適正な税金の計算です。
そのために必要なものは調査されることとなります。
売上や経費だけ調査されて終わりではありません。

最後に

内田
「売上や経費だけでなく生活費や銀行残高なども調査されます!」
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税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】

税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】

子育てに力を入れているイクメン税理士。個人事業主の税務調査に特化しています。13年間税理士業界を経験して独立開業。従業員を雇わず税理士である自分自身がすべて担当しています。難しい専門用語を使わないことを心がけています。
 

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