高い住民税・市民税を安くする方法は?住民税とはそもそも何か?
住民税の特別徴収が徹底されます。住民税を安くするためにはどうすればいいでしょうか?
住民税を減らすために大切なことを書いています。
住民税って本当に負担が重く感じますよね。
住民税は高く感じます。
今までは自宅に納付書が届いて、自分で支払をしていたという人もいるでしょう。
それが、今度からは給料から天引きされることになります。
給料から天引きした方が滞納が減るからです。
給料から天引きにすれば、会社が支払いをすることになりますからね。
個人が支払うよりも滞納は減るでしょう。
個人としては住民税を減らすにはどうすればいいでしょうか?
住民税とは
住民税とはそもそも何でしょうか?
住民税はお住まいの市町村に支払う税金のことです。
所得税は税務署に支払う税金なので国税といわれます。
住民税は市町村に支払う税金なので地方税といわれます。
国に払うか市町村に払うかの違いがあります。
住民税は道路やインフラの整備に使うためのお金、という認識です。
今はふるさと納税により住んでいる市町村以外にも納税ができるようになりました。
ふるさと納税で住民税が節税できる、とよく聞きますがそれは本当です。
住民税は安くなりますがそれは寄付をしているからです。
どこかの市町村にお金を払って寄付をしているから住民税が安くなっているのです。
住民税が安くなるとはいってもお金を払っている点には注意が必要です。
住民税の計算方法は?
住民税は基本的には所得税と同じ計算です。
大きく違うのは税率。
所得税は所得の金額によって5%から45%と変動しますが、住民税は10%で一定です。
所得税は5%なのに住民税は10%、というケースもありうるので住民税は高く感じるのです。
均等割がある
住民税には均等割といわれるものがあります。
10%で計算するのは所得割。
それと別に均等割といって4,000円くらいかかってきます。
所得金額にかかわらず発生するものもあります。
住民税は誰が計算する?
住民税は市町村が計算します。
市町村側で住民税を計算して納付書が送られてくるのです。
個人事業主なら税務署に確定申告した情報が市町村に回ります。
会社員なら年末調整した結果が市町村に回ります。
市町村はこられの情報をもとに住民税を計算するのです。
住民税はいつの年分?
住民税は遅れてくるといわれますね。
それは令和2年分の住民税が令和3年の6月頃に来るからです。
令和2年分の確定申告・年末調整の結果を受けて市町村が住民税を計算。
令和3年の6月頃に納付書が届く、という流れです。
なので住民税は遅れてくる、と言われるのです。
住民税の支払い方法は2つある
みなさんは住民税の支払いはどうされていますか?
住民税の支払方法には2つあります。
- 特別徴収 (給料から天引き)
- 普通徴収 (自分で支払う)
この2つです。みなさんどちらかの方法で支払いをされていますよね。
給料から天引きされる特別徴収
住民税は給与から天引きされている か 自分で払っているかのどちらかです。
本来、会社員であれば特別徴収という給与天引きが原則です。
所得税と同じですね。
会社側は天引きした住民税を翌月10日までに納付することになります。
自分で支払う普通徴収
これとは別に普通徴収というものがあります。
給与天引きではなく自分で納付することになります。
この場合は年4回に分けて支払うことになります。
こちらは年4回なので1回あたりの金額が多くなります。
支払う合計額は同じなのですが負担感が大きいですよね。
住民税が高いと感じるのはこれのせいかもしれません。
平成28年度までに特別徴収を徹底
もう何年も前になりますが、税理士会から届いた資料によると平成28年度までに特別徴収を徹底とのこと。
東京都、千葉県、神奈川県のチラシが入っていましたが、すべて平成28年度には徹底します!と書いてあります。
住民税は自治体により違うのですが、そろって平成28年度といってますから全国的に取り組んでいるのでしょう。
そもそも、特別徴収(給与天引き)が原則です。
徹底します、なんていうくらいですから特別徴収にしていないところが多いんですね。
行政が特別徴収を徹底する理由は、普通徴収だと滞納が多いからです。
給与から天引きされていれば否応なく支払うことになります。
天引きされてしまっていてはどうしようもありません。
ところが、自分で銀行とかで支払うとなると非常に負担感が重くなります。
手間もかかりますし、すごく面倒になってそのまま滞納してしまうことが多いのです。
このような滞納を防ぐために給与天引きによる特別徴収にしようというのです。
特別徴収のメリットは?
特別徴収のメリットは、毎月天引きなので一回あたりの金額が少ないということでしょう。
あとは、会社が支払ってくれるので自分で支払いに行く必要がないということでしょうか。
それ以外には正直、思いつきません。
デメリットは、会社の手間が増えるので面倒だということでしょう。
東京都のチラシに書いてあった特別徴収のメリットは、
【所得税のように事業主が税額を計算する必要はありません】 と書いてあります。
これがなぜ特別徴収のメリットなのか?
わかりません、普通徴収でも一緒だと思うのですが。
住民税は役所が計算してくるのです。
なので、特別徴収でも普通徴収でも事業主が税額を計算する必要はないんです!
とにかく特別徴収がいいんだ、と思わせたいのでしょうね。
住民税を特別徴収にしなくてもいい場合は?
例外的に特別徴収にしなくてもいい場合があります。
一般的には、
- 4月1日時点で給与の支払いがない人
- 退職した人または5月31日までに退職する予定の人
- 毎月の給与が少なくて住民税を天引きしきれない人
- 給与が毎月支払いされない人
- 2カ所以上から給与をもらっていて他の給与から住民税が天引きされている場合
上記に当てはまっても特別徴収をすることになっている市町村もあります。
私は10年以上税理士業界にいますが、今のところ上記の例で特別徴収にしなさいと言われたことはありません。
住民税にも納期の特例がある
従業員が常時10人未満の場合は承認を受けることで年12回の納期を年2回にすることができます。
源泉所得税と同じですね。
ただ、源泉所得税と違うのは年2回の時期です。
源泉所得税は1月と7月ですが、住民税は12月と6月です。
これは注意が必要ですね。
毎月毎月銀行にいって支払うのは面倒ですから従業員が10人未満ならこの制度を利用した方がいいですよ。
半年分をまとめて支払うので金額が大きくなりますが、毎回銀行に行くのは大変。
高い住民税を安くする方法は?
どうすれば住民税を安くできますか? とよく聞かれます。
住民税って本当に高く感じますよね!
毎年毎年こんなにかかるのかって感じます。
住民税を安くする方法は、受けられる控除はもれなく受ける ということしかありません。
会社員で確定申告をしない方は年末調整により住民税の金額も決まります。
確定申告書を提出された方は、その確定申告書の情報が税務署からお住まいの市町村に伝わるのです。
その情報をもとに市町村が住民税の金額を計算します。
もし、確定申告で扶養を入れ忘れた、保険の控除を出し忘れた、などがあると住民税にも反映されないのです。
個人事業主は経費をもれなく入れることが大切!
個人事業主の方はとにかく経費をもれないようにすること!
節税をしようとするとお金を使って経費を増やそうとするのですが、そうではなくすでに支払っているものを何とか経費にできないかを考えましょう。
自宅で仕事をしているなら自宅の光熱費は経費にできます。
自宅のパソコンで請求書などを作っているなら経費にできます。
とにかく仕事に使っているものは経費に入れ忘れが無いようにしましょう!
受けられるのに忘れやすい控除
本当は控除を受けられるのに忘れやすいものがあります。
例えば、
- 扶養している親や子供が障害者の場合
- 離婚や死別などの場合
- 還付がないからといって医療費控除の確定申告をしない
- 配偶者の給料が103万円を超えていても受けられる控除がある
このような控除は忘れやすいのでもれなく受けるようにしましょう。
障害者控除を受ける
親や子供が障害者の場合は、障害者控除というものを受けることができます。
税理士側の立場からすると、障害者かどうか、というのは聞きづらいのです。
「お母様は障害者ではないですか?」なんてなかなか聞けないですよね。
なので、せっかく控除を受けられるのに受けていないというケースが多いです。
もし、障害者の認定を受けているのならその旨をしっかりと伝えましょう!
死別・離婚の場合の控除
夫と死別や離婚した場合も寡婦控除という控除を受けることができます。
(要件があります)
こちらも、なかなか聞きづらいのです。
「離婚とか死別されていませんか?」なんてなかなか。
もし、死別や離婚をされている場合はちゃんとそれを伝えましょう。
せっかく受けられる控除も受けられませんからね。
還付がなくても医療費控除をする
よく聞くのは、源泉所得税が0円だから医療費控除の確定申告をしても意味が無い、というものです。
確かに源泉所得税が0円なら所得税の還付はありません。
ただし、医療費控除の申告をすれば住民税が安くなる可能性があります。
医療費控除は年末調整では控除できません、確定申告が必要となるのです。
所得税の還付がなくても住民税が安くなるケースもありますよ。
配偶者特別控除
この控除を受けていないケースが非常に多いです!
配偶者の給料が103万円を超えても控除を受けられるものがあるのです。
配偶者特別控除というものです。
配偶者特別控除というのは、配偶者の所得に応じて控除額が違っています。
例えば、
給料が104万円だったら38万円の控除
給料が140万円だったら3万円の控除 となります。
※記事執筆時点での情報です。
配偶者の給料が103万円を超えていても控除できるものがありますからね。
忘れないようにしましょう!
まとめ
住民税は高い、と言われます。
納税が遅れてくることも高いと思われる原因でしょう。
令和2年の所得にかかる住民税は令和3年の6月頃にきます。
今から住民税の納付がある、という意識をもっておきましょう。
予定していないところに納税の通知がくると余計に高いと感じてしまいますから。
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