税金で一番やってはいけないのは無申告。税務署からの呼び出しや税務調査が来る前に対策を
無申告の状態で税務署から呼び出しがあったらすぐに対応しましょう。
税金で一番いけないのは無申告です。
税務署は売上げをごまかすことよりも重く判断されることもあります。 無申告は売上げのごまかしよりも重くなることもあるのです。
この記事について簡単にお話ししました。 記事の内容は動画の下から続きます。
税務署からの連絡を無視してはいけない!
税務署からの連絡は誰もが嫌なものです。
私は税理士なので税務署となんどもやりとりしていて慣れてしまいましたが、普通は税務署とやりとりすることなんてありませんから連絡が来ただけでビックリしてしまいます。
中には税務署からの連絡にビックリして不安になり連絡をしないケースがあります。 でも、税務署からの呼び出しは無視してはいけません。
税務署からの連絡を無視してはいけない理由
理由は、結果として税金の負担が重くなってしまうからです。
- 加算税の負担が重くなる
- 税金を払う意思がないと判断されて重い処分になる可能性がある
本来払うべきだった税金にプラスして加算税(無申告加算税)がかかってしまうのです。
悪質だと判断されてしまうと40%かかります。 説明を簡単にすると、 本来100万円の税金でよかったのが40%の40万円がプラスされて140万円の納税となってしまうのです。
これが1年だけでなく5年、7年ともなると加算税だけで何百万円にもなってしまうこともあります。 加算税はちゃんと納税していれば払う必要がなかったものですから非常にもったいないのです。
加算税だけでなく経費の判定などでも厳しい処分となる可能性があります。
税務調査の目的は適正な納税をしてもらうための指導です。 今後の申告について適正な手続きをしてもらうために来るのです。
それなのに、そもそも税務署からの連絡を無視しているようだと今後も適正な申告をしてもらうことが難しいと思われて処分が厳しくなってしまうことがあるのです。
税務署と連絡を取るのは嫌なものですが、無視してしまうと結果として負担が重くなってしまいます。
必ず連絡するようにしましょう。 もし自分で連絡することが難しいようなら税理士に相談してみましょう。
無申告が一番ダメ!
税金で一番やってはいけないのは、税金の申告をしないこと。 つまり「無申告」です。
- やらなきゃいけないのはわかっていたけど
- 忙しくて時間がなくて
- よくわからなくて
- 税金を払いたくない
理由はさまざまでしょうが無申告は税務署は一番重くみています。
実際に無申告の税務調査に立ち会ったときに調査官から聞いたことがあります。
「売上をごまかすことはダメだけど、無申告はもっとダメです」と。
たとえ売上をごまかしていたとしても確定申告書を提出していれば少なくとも「納税する意識はあった」と判断されます。
それが無申告の場合は納税の意識がまったくないということになってしまいます。
税務署は無申告者についても税務調査を行いますし厳しく対応されます!
(無申告について簡単にお話しました)
今からでも確定申告できる
勘違いされている方も多いのですが、期限を過ぎてしまっても確定申告書を提出することはできます。
「期限後申告」という名称になりますが、期限が過ぎてしまっているだけで基本的には普通の確定申告と同じです。
今まで確定申告をしていた方は今までと同じように申告書を作って税務署に提出すれば大丈夫です。
期限が過ぎてしまっている場合は申告書を提出するのと同時に納税もする必要があります。 いままでずっと無申告でどうしていいかわからない場合は税理士に相談しましょう!
私も無申告のご相談をお受けしております。
参考→ 個人事業主はずっと無申告では済まない!税務調査前に申告しよう
期限後のデメリットもある
もちろん期限後に提出するデメリットもあります。 期限を過ぎているので延滞税や無申告加算税などがかかります。
加算税については先ほど書いたようにより重い負担となってしまうことがあります。
参考 → 個人事業者でも重加算税になる!
もう一つ大きいのは青色申告の65万円控除や55万円控除が使えなくなること。
青色申告の65万円控除は期限内に提出した場合でないと受けることができないのです。 期限を過ぎてしまうと65万円控除はできません。 ※10万円の控除を受けることはできます。
青色申告の場合は特に注意が必要です。
住民税の申告で「収入無し」「収入ゼロ」「親の扶養」は見られている
確定申告をしていないと市町村役場から住民税についての申告をしてくださいという用紙が届くことがあります。
これは収入の確認ができない人に対して送付されるものです。 この用紙には「収入無し」「親の扶養」などの欄もあります。 このような「収入なし」や「親の扶養」として提出すると、その内容を税務署も確認しています。
実際に税務調査の立ち会いをした際に「市役所に親の扶養になっているとして提出しましたよね?」と言われたことがあります。
税務署は市町村に提出した申告書などもチェックしていますから嘘や事実と違う申告をするのはやめましょう。
重加算税になることも
実際に収入があるにもかかわらず市役所に「親の扶養」として提出されていた人がいます。
税務調査が行われて重加算税となってしまいました。 理由は、収入があるにもかかわらず虚偽の申告をしたからです。 税務署は市町村の申告状況も確認していますから事実と違う内容で提出するのはやめましょう。
税務署に確定申告すれば住民税もOK
「確定申告する」というのは税務署に所得税の確定申告書を提出することを言います。 稀に住民税はどうするのか?と聞かれますが、税務署に確定申告書を提出すればそれで住民税もOKです。
税務署に確定申告すれば住民税は申告する必要がありません。
税務署に提出した確定申告書の内容がそのまま市町村に伝わるのです。 なので、税務署に確定申告書を提出すれば住民税の申告はする必要がないのです。
確定申告には収入と経費の集計を
確定申告するためには収入と経費を計算する必要があります。 まずは収入から計算してみましょう。
細かいことは気にせずに単純に銀行に入金された金額を集計するだけでもやってみましょう。
後述しますが、細かいことは後で相談するなりすればいいのです。 まずは単純に銀行に入金された金額を計算してみるところからやってみましょう。
経費だと思うものを書き出してみる
収入だけでなく経費も計算しなければいけません。
経費も細かいことは気にしないで、ひとまず自分が経費だと思うものを書き出してみましょう。
・ガソリン代
・携帯代
・パソコン代
・作業服代
・コーヒー代 など
「○○代」と思いつく限り書き出してみましょう。
領収書やレシートが無くてもいいので、ひとまずはどんなものがあるのか書いてみます。
領収書など何も資料がなくても
何も資料がないからといって諦めてはいけません。
何もなくても経費にできることもありますから、まずは相談してみましょう。
参考 → 領収書がなくても経費にする方法
無申告でも税務調査はある
税金の申告をしていなくても税務調査はあります。
私も今までなんども無申告の税務調査立ち会いをしておりますので間違いありません。
税務署は色々な方法で所得を把握していますので、収入があるのに申告をしていないとすぐにわかってしまうのです。
参考→ 税務署が所得を把握する手段!
無申告なのに税務署が来ていないのはたまたまです!
事業を続けている限りはいつか税務調査が入りますよ。 (廃業したとしても調査はあります)
無申告者の調査に力を入れている
税務署は無申告者に対する税務調査に力を入れています。 2019年に国税庁が発表した資料にハッキリと「無申告者の調査に力を入れている」と書かれています。
国税庁がハッキリと発表しているのです。
繰り返しますが、いま無申告で税務調査が行われていないのはたまたまなのです。 このまま無申告が続けばいつかは税務調査の連絡がくるでしょう。
無申告だと最初から5年分の調査
税務調査は通常は3年です。
3年分の調査をして大きな間違いがあると5年、脱税などがあると7年となります。
無申告の場合は最初から5年間の調査となります! さらに脱税をしているなど悪質であると判断されると7年間になります。
まとめ
先ほども書きましたが、いま税務署が来ていないのはたまたまです。 税務調査の連絡がある前にちゃんと申告しましょう!
無申告の状態で税務調査に入られてしまうと一番負担が重いです。
余計な罰金を防ぐためにも早めに申告するようにしましょう。 お困りの際はご相談ください。
私も今までに何度も無申告の方のご相談をお受けしております。
資料が無い、どうしていいかわからない、何年も無申告である、などお困りの際はご相談ください。
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